Scala のエクストラクタ(Extractor)

エクストラクタは、そのオブジェクトから構築されるためのパラメータを抽出します。

Scala標準ライブラリには、いくつかのプレ定義のエクストラクタが含まれており、それらについて概要を説明します。

Scalaエクストラクタは、unapplyメソッドを持つオブジェクトです。unapplyメソッドはapplyメソッドの逆操作と考えられます：unapplyはオブジェクトを受け取り、そのオブジェクトから値を抽出し、抽出された値は通常、そのオブジェクトの値を構築するために使用されます。

以下の例では、メールアドレスのエクストラクタオブジェクトを示します：

object　Test　{
　　　def　main(args:　Array[String])　{
　　　　　　
　　　　　　println("Apply　メソッド　: "　+　apply("Zara", "gmail.com"));
　　　　　　println("Unapply　メソッド　: "　+　unapply("[email protected]"));
　　　　　　println("Unapply　メソッド　: "　+　unapply("Zara　Ali"));
　　　}
　　　//　注入方法（オプション）
　　　def apply(user: String, domain: String) = {
　　　　　　user　+"@"+　domain
　　　}
　　　//　抽出方法（必須）
　　　def unapply(str: String): Option[(String, String)] = {
　　　　　　val parts = str.split("@")
　　　　　　if(parts.length ==　2{
　　　　　　　　　Some(parts(0), parts(1))　
　　　　　　}else{
　　　　　　　　　None
　　　　　　}
　　　}
}

以下のコードを実行すると、出力結果が：

$　scalac　Test.scala　
$　scala　Test
Apply　メソッド　:　[email protected]
Unapply　メソッド　:　Some((Zara,gmail.com))
Unapply　メソッド　:　None

上記のオブジェクトは、以下の2つのメソッドを定義しています： apply および unapply メソッド。applyメソッドを使用することで、new操作を使用せずにオブジェクトを作成できます。したがって、Test("Zara", "gmail.com")とすることで、"[email protected]"という文字列を構築できます。

unapplyメソッドはapplyメソッドの逆操作と考えられます：unapplyはオブジェクトを受け取り、そのオブジェクトから値を抽出し、抽出された値は通常、そのオブジェクトの値を構築するために使用されます。サンプルでは、以下のように使用します： Unapplyメソッドは、オブジェクトからユーザー名とメールアドレスのドメインを抽出します。

サンプルでは、unapplyメソッドがメールアドレスでない文字列を渡された場合にNoneを返します。以下にコードのデモを示します：

unapply("[email protected]")　は　Some("Zara",　"gmail.com")
unapply("Zara　Ali")　は　None

エクストラクタはパターンマッチを使用します

クラスをインスタンス化する際には、0個または複数の引数を指定できます。コンパイラはインスタンス化時に apply メソッドを呼び出します。クラスとオブジェクトの両方で apply メソッドを定義できます。

私たちが以前に言ったように、unapply は指定した値を抽出するために使用され、apply の操作とは逆のものです。 エクストラクタオブジェクトで match 文を使用する場合、unapply は自動的に実行されます。以下のように示されます：

object　Test　{
　　　def　main(args:　Array[String])　{
　　　　　　
　　　　　　val　x　=　Test(5)
　　　　　　println(x)
　　　　　　x　match
　　　　　　{
　　　　　　　　　case　Test(num)　=>　println(x　+　"　は　"　+　num　+　"　の2倍！")
　　　　　　　　　//unapply　が呼び出されました
　　　　　　　　　case　_　=>　println("計算不能")
　　　　　　}
　　　}
　　　def　apply(x:　Int)　=　x*2
　　　def　unapply(z:　Int):　Option[Int]　=　if　(z%2==0)　Some(z/2)　else　None
}

以下のコードを実行すると、出力結果が：

$　scalac　Test.scala　
$　scala　Test
10
10　は　5　の2倍！